​BASIC Phとは

 Basic‐Phの援助モデルは中東のイスラエル紛争のストレスケアと予防に取り組んできた中で生まれました。人は危機に直面したとき、様々な対処(コーピング)を用いています。それらはBelief(信念)、Affect(感情)、Social(社会的)、Imagination(想像)、Cognitive(認知)、Phygiology(身体的)の6つの対処法(チャンネル)に分類できます。この6つの対処法は人間なら生まれながらにして誰しも持っている強みなのです。この6つのチャンネルのどれを主に用いているのかは個人個人によって異なるのですが、それは環境や状況、文化、個人の特質や好みによって影響を受けます。何か危機が起きたときに、その人がどのチャンネルを特に活性化させているかを知り、それにアプローチしていく事でレジリエンス(回復力)を引き出していく援助モデルです。Rootsでは、個人面接やグループワークで自分たち、仲間たちの強みに気づき、さらに6つの対処法をバランス良く用いる事で依存症のみならず様々な問題から回復していくことを目標にBASIC Phを取り入れ、たくさんのアクティビティをおこなっています。

 

EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)は、眼球運動やその他の左右両側の刺激を用いた心理療法です。特にPTSD(心的外傷後ストレス障害)に効果があり、クライアントの心理的負担が最も少ない治療法と言われています。解離性障害、パニック障害、恐怖症などのトラウマに関連する症状に特化した技法なのですが、他にもうつ病や、不安障害、パーソナリティ障害、心身症などの治療にも応用されています。依存症問題に苦しむ当事者の方はトラウマを抱えている場合が多い為、Rootsの治療プログラムの中で心理面接においてはトラウマ治療に特化し、EMDRの認定トレーニングを修了した心理士が安全な環境でトラウマ治療をおこなっています。

 

動機づけ面接法とは

動機付け面接法(Motivational Interviewing)とは、「行動の変容」に焦点を当てた心理療法です。変化を促す、支援することを基本としていて、当事者の良くない行動を一方的に否定したりただ行動を強制するのではなく、自ら目標に向けての行動が変わるように援助をします。依存症問題の中では、この「行動の変容」が回復にとっての重要な鍵になります。依存症という病気は常に「やめたい」「でもやめられない」という2極の対立する考えが頭に浮かび、葛藤します。この状態をアンビバレントというのですが、アンビバレントな状況に陥ると、人は身動きがとれなくなってしまうのです。Rootsの治療面接では、アンビバレントな状況を抜け出し、「やめたい」方向へ行動を変えていくにはどうしたら良いのかを5段階の表を用いて考えたり、クライアントに寄り添いながら行動変容のための丁寧な動機付けをおこなっています。

 

ナラティブ・エクスポージャー・セラピーとは

ナラティブ・エクスポージャー・セラピー(Narrative Exposure Therapy)は、「語ること」に焦点を当てた心理療法です。元々は戦争による心的外傷の治療の為に開発され、トラウマ体験を繰り返し語ることで継続的介入が困難なサバイバーに対し効果的なものとして発展してきました。Rootsではこの基本モデルを軸として、今までの既存の概念を解体し、自分自身の人生の物語を作りあげ、その内容を時間をかけて仲間たちと分かち合うというナラティブセラピーとディスクロージャー(暴露)の要素を組み込んだ治療プログラムを丁寧に行なっています。

 

解決構築面接とは

解決構築面接(Solution Focused Approach)は、問題ではなく解決に焦点を当てるアプローチの事です。クライアントは自分たちの問題と解決の方法について一番よく知っていて、そのために必要な強さと資源を持っているという前提のもとに、過去や現在のことよりも将来に、問題にではなく解決の方へと焦点を合わせるという原則のもと、カウンセリングで解決のイメージを共同で作り上げていきます。「何故あんな事が起きてしまったのか」より、「どうやってその出来事を乗り越えてきたのか」に注目します。Rootsでは、個人個人に合わせた解決構築面接を行っています。個人個人解決の仕方や、うまくいく方法は違います。その人に合った解決法を丁寧に一緒に考え、皆で力を合わせて解決を作っていく、という作業をおこなっています。

 

家族療法とは

家族療法とは、家族をひとつのまとまり、ひとつのシステムとして捉え、その中で何が起こっているかに注目し、そこにアプローチするモデルです。Rootsでは家族療法も治療に取り入れ、アディクションアプローチと並行しておこなっています。依存症の問題は、家族の関係性や家族背景が影響し、さらに一番身近な家族を巻き込んでしまう病気です。M,ボウエンの分化モデルやミニューチンの家族類型モデル等を参考にしつつ、家族に対し必要な援助や心理教育を当事者と並行しておこなっています。

 

12Stepsプログラムとは

12Stepsプログラムとは、主に依存症、強迫性障害、その他問題行動からの回復のためのガイドラインの事です。1930年代に、米国でアルコホーリクス・アノニマス(AA)と呼ばれる無名のアルコール依存者の集まりによって、アルコール依存症からの回復手段として示されました。現在ではアルコールだけでなく、薬物依存、ギャンブル依存、性依存など様々な問題に対しても効果的な伝統心理療法としてあらゆる団体、自助グループがこの12Stepsを取り入れています。Rootsでも12Stepsプログラムを最も基礎的な回復へのガイドラインと考え、12Stepsプログラムに沿った回復の勉強、実践、分かち合いなどをグループワークや、ミーティング、面接でおこなっています。

 

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